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荒川光のブログ

日々の生活のなかで感じたこと、思ったこと、考えたことを気軽に書いていくブログです。

運転代行業の世界 ~追走の技術 その1 出発時の注意~

運転代行業で必要とされるスキルを、業界歴1年(すみません)の私が紹介していきます。

 

今まさに現役で運転代行の仕事をされている方も、これからこの仕事に就こうと考えていらっしゃる方も、客として利用する機会が多い方も、はたまた、たまたま間違えてクリックしてしまってこのページに来たという方も、ぜひ知られざる運転代行業の世界に触れてみてください。

 

今日はお客様の車(以下「客車」)を代行会社の車(以下「随伴車」)が追走していくにあたっての注意点などを書いていきます。

 

ところで、追走の出発から到着までの過程で最も注意を要する場面はどこでしょうか? 

これは出発であると私は考えます。もちろん異論もあるでしょう。しかし、私が随伴車の運転をしていて一番緊張するのは出発の瞬間です。

 

では出発時にどんな危険が潜んでいるのか? 何に注意が必要なのでしょうか?

まず一つ目は、客車と一般の車両とを間違えてしまわないように注意しなければならないということです。そんなこと当たり前だと思われるかもしれませんが、これは非常に重要な点です。

 

他に車の停まっていないガラガラの駐車場から客車が出発し、すぐ隣に停まっていた随伴車が後を追って出発するという場合であれば間違えようはないのですが、混雑した駐車場の場合や、道路上で待機している随伴車の横を客車が走り過ぎるタイミングで、随伴車も出発するなどという時に、一般の車を客車と勘違いして追い掛けて行ってしまうというウソのようなミスが時々、いやごくたまに起こることがあります。

客車のドライバーはホーンを鳴らす、パッシングする、手を振るなど、状況に応じて合図を送って客車であることを随伴車に伝えますが、様々な事情でそれが伝わらないことがあるものなのです。昼間であれば起こりえないようなことも、夜には起こってしまうということもあります。

 

随伴車のドライバーが客車の車種、色、できればナンバーなどを出発前に確認しておければ良いのですが、それが許されない状況も多々あり、ホーンを鳴らして横を通り過ぎる車を客車とみなして追い掛けていかなければならないということもあるのです。

 

私なども、信号待ちで停まったときに車を降りて、前に停まっている車が客車かどうか心配で見に行ったという経験が何度もあります。もし間違えたままその人の家まで付いて行ったりしたら、なんて考えると恐ろしくて震えてきます。でも、今夜も日本中を走っている随伴車の中には、そんな車の一台や二台あってもおかしくありません。それくらい有りがちな失敗なのです。

ですので間違いなく客車であることを確信して追走するために、出発の瞬間には最大の注意を払わなければなりません。

 

二つ目には、出発時には事故のリスクが高くなるということを挙げておきます。

 

駐車場から道路に出る場合で、例えば片側1車線ずつの道路に右折で出るという場合を考えてみましょう。

頭の中でイメージしてみてください。駐車場の出口で客車が右ウィンカーを出して停止して、左右からの車の流れが途切れるのを待っています。今右からは車が来ていません。左からは車が何台か来ていますが、1台やり過ごせば次の車まで車間距離があり、客車1台なら出ることができます。しかし随伴車と2台連続して出るとなると難しいという状況です。

この状況では客車は出発しないことが多いです。2台連続して出た方が途中ではぐれたりするリスクが減るからです。

しかし今1台だけでも出ておかなければ次に出られる機会はなかなかおとずれないだろうという道路状況の場合や、酔っ払いの客がドライバーを急かして「早く出ろ」などと言った場合には、出発する客車のドライバーもいます。

随伴車はこのような状況では、できる限り後に続いて出たいものです。先に出た客車が途中で停まって待っていてくれればいいのですが、左に寄って停止できないような道路では随分先まで行ってしまうこともあるからです。そして無理をして後を追って出た随伴車が事故を起こすというケースが多いのです。

 

今挙げたのは1つの例ですが、実際には様々な状況があり、時間帯によっても天候によっても判断は変わってきます。すぐ先がカーブになっていて車が来ているのかどうか分かりにくいとか、非常にスピードを出して走る車が多い道路だとか、考慮しなければならない材料はその都度違いますので、正確で速い判断が必要になります。

 

無事に道路に出て、2台が前後に並んだ状態で走れるようになればホッと一安心といったところです。

 

もう一つ、運転上の注意とは違いますが、お客様のお帰り先を尋ねて、その情報を2人のドライバーが共有する上で注意しなければならないことがあります。

一般的にはお客様にお帰り先を尋ねるのは客車のドライバーだと思います。それを随伴車のドライバーに伝える時に、離れたところから大声で目的地を言う人がいます。その場にお客様と代行のドライバーしかいない場合にはそれでもかまわないかもしれませんが、周りに人がいる場合には、行き先を周囲に聞かれないように配慮する必要があります。

その場にいる人たちに自宅の場所を知られたくないという人もいますし、仲間と飲食店を出て解散した後、自分だけ家に帰らずに別の場所へ行くような時に、それを仲間に知られたくないという人もいます。

また飲み屋の女の子が代行を使って帰宅するような時に、店の客がいるそばで行き先を言うと、それがその女の子の自宅だと店の客に知られてしまうので、それを嫌がる人もいます。もちろん自宅の番地までは分かりませんが、どこの町かぐらいは特定されてしまう可能性があるからです。

中には最初に嘘の行き先をドライバーに告げて車に乗り込み、その後本当の行き先を車内で伝えるお客様もいらっしゃいます。その場合、随伴車のドライバーにしてみれば、聞いていた行き先とは違う方向へ客車が走っていくので、最終的にどこへ向かっているのか分からないままついていくということになります。

 

客車のドライバーが随伴車のドライバーに「お客様のお帰り先は○○町です」と伝えるだけのことなのですが、ちょっとした配慮が足りなかったばかりにトラブルに発展するケースもありますので、よく考えて行動しなければなりません。

「お客様のお帰り先」は慎重に取り扱わなければならない個人情報だと認識することが必要です。

 

そんなわけで、今日は出発時の注意点についてお話しました。

最後まで読んでくださった方々、どうもありがとうございました。途中までの方も、ありがとう。